連載小説 「天使の証明」 第3話 素足

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月が綺麗な夜だった。

今日もコンビニでバイト、あの天使が今日も来る気がする。これは予感というより確信だ。絶対にくる。

おもむろに自動ドアが開く。「来たか!?」という期待もむなしく、中田であった。

「よお、真面目に働いてるかw?」

「邪魔するなよ。お前みたいに金持ちじゃないんだ。」

中田は酒をいくつか買って帰っていった。彼女が下宿に来ていて一緒に飲むらしい。羨ましい。

今日は閑静だった。中田が帰ってからあまりお客さんが来ない。こういう日もある。

ぼんやりしていたらもうそろそろ退勤の時間か、そう思っていたらまた自動ドアが開いた。

「あっ」

挨拶も忘れて、思わず声を上げてしまった。天使の降臨であった。

まだ四月だというのにミニスカートを履いてくれている。おまけに素足にスニーカーだ。綺麗な細くて白い足。心なし肌寒いせいか若干鳥肌が立っている。ああ、この生足に踏まれたい。いや、踏まれるふりをしながら嗅ぎたい。なんせ素足にスニーカーだ。一体どんな匂いがするんだろう。

このスニーカーを夏まで履き続けてほしい。そして、夏の暑い日、長距離の散歩に出掛けて、その後のムレムレのスニーカーを嗅がせて欲しい。

(やばい、勃起してきた。)

と、思った瞬間、彼女と目が合ってしまった。なんとも気まずい。

「い、いらっしゃいませ」

適当に誤魔化してしまった。変な妄想をしていたこと、気づかれてないだろうな。

彼女はそそくさと弁当やお菓子をカゴに詰め、レジに向かった。またレジ打ちは僕じゃなかった。バイトの相方に言っておこう。「あの子が来た時はレジから離れろ」と。そして退勤の時間がきた。

月も満ち、風の肌寒さを感じながら家路についた。

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第1話 臭い匂いに対する妄想 - 可愛い女の子はうんこをしない(うなな) - カクヨム
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